そうだ 京都、住もう。

2022年に社会人生活10年を終え、11年目のスタートを縁あって京都で迎える。「いつか京都に住みながら、働ける日が来たら幸せだろうな」なんて軽く考えていたけど、まさかコロナの影響でフルリモートでの勤務が実現し、10年間目立ったキャリアとしては「営業」しかない自分でも、場所を選ばず全国どこでも働けるようになった。その結果の、今回の「京都移住」である。

「営業は対面でないと難しい」
「オンラインでは顧客と信頼関係を築くことは出来ない」
「対面でないと重要な物事は決められない」

様々な意見があると思うし、色んな考え方があって良いと思う。それぞれが日々、創意工夫し尽くして少しでも過ごしやすい世の中にアップデートしていけばそれで良いのだろう。

役所手続きを終え、親戚の蕎麦屋さんが昔、修行させてもらっていたという「尾張屋」に向かった。風情ある建物でまだまだ寒く、雨も降っていたというのに店はとても混んでいた。

1465年、応仁の乱の前年創業というから驚きである。親戚の蕎麦屋も100年続く老舗とは言え、京都はちょっとレベルが違う。今の店主は女性で、元写真家から蕎麦屋の経営者に。1面白い。

名物「宝来そば」。複数の薬味で味変しながら、5杯の違った蕎麦の味を楽しめる贅沢な一品。昔、一度訪れた時はまだ学生で高くて手が出なかったが、こういった機会だし躊躇なく注文できた。「おとなになったのだな」と実感する。また節目に食べに来たいな。

せっかく京都に移住してきたし、日々の色んな歴史との出会いを大切にしながら、変化の多い今の世の中との接点を探していくのはなかなかに面白そうだなと思いつつ、四条から河原町へ向かっていた折、今の自分にしっくりくる標語が目に飛び込んできた。

「真宗佛光寺派 本山佛光寺」の標語。

時代の変化はしっかりとキャッチアップしつつ、そればかりに囚われず「変わらぬもの」にも目を向けていける人になりたい。特に強い信仰心や宗教観を持ち合わせている人間ではないが、なんとなく昔から寺社仏閣が好きで、こういう標語はよく目にしている。

そういえば4年前の春にも、同じ通りで気づきを得ていたことを、思い出した。

当時はしょっちゅう誰かを批判し、自分だけが正しいと思い込んでいる大層残念で、中途半端な人間だったと思う。それが良いことか悪いことかは目にした本人に委ねながらも、ただ「事実」だけ書いてあるこの標語にハッとさせられたのを覚えている。しっかり場所を覚えることが出来たので、今後、なにか迷ったときには、この辺りを歩くようにしよう。

色んなご縁と出来事が重なって京都に流れ着いた。このチャンスを人生の糧にすべく、今年はどっぷり京都の歴史に触れる1年にできたらと思う。


  1. .天野準子,2017年,「N.Y.のカメラマンから、京都の老舗蕎麦店の16代目当主に」,precious.jp,(2024.01.29. ,https://precious.jp/articles/-/491↩︎
takuzin

人材紹介をしながら、親身に日々、関わっていただける皆様の相談に乗っております。noteでは読みたいことを書いていこうと思います。2022年春、好きだった京都に移住しました。


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